トライアスリートや長距離競技の選手で、いわゆる筋トレをしている人って少ないのではないでしょうか?
トライアスロンに限っては3種目のトレーニングがある事から、プログラムデザインを考えた時に、筋トレの疲労の影響を最小限に抑えプログラムを構成しないと逆効果となるのかと思います。
多くの人は3種目の持久力・心肺機能向上に特化したトレーニングとして、種目毎にLSD、ペース、インターバル、HIIT、レペティショントレーニングでプログラミングしている人が多いと思います。
仕事と両立している人にとってはそれだけでもスケジュール管理は大変ですよね。
そこにストレングストレーニングの時間をどこに入れるか?という問題が頭によぎります。
中途半端に低負荷でやみくもに筋トレをやるなら回復に充てて上記のトレーニングをしっかりこなした方がきっと良いと思います。
逆に高負荷でやり過ぎてしまうと、筋疲労により、上記のトレーニングの質を下げてしまう事になります。
では、スイム、バイク、ランの技術トレーニング以外にストレングストレーニングはやはり不要か?
いや、競技能力向上の効率化を考えた場合、個人的には組み込んだ方が良いと思います。
これに関しては、ピリオダイゼーションをしっかり考え、目標レースに向けた期分けを行いトレーニングの内容を時期によって考えていく事で、シーズンに応じて、ストレングストレーニングと技術トレーニングのバランスを整え、これがしっかりと構成されていれば、パフォーマンスアップは、技術トレーニングのみをするよりも確実に上がってくる事と思うのと、何よりもフィジカルが上がる事で競技トレーニング時の怪我の予防に繋がってくる事が考えられると思います。
しかしながらパワーアップを図り、筋肥大を促すようなトレーニングで体重増加に至ってしまうとやはり長距離競技には不利となってしまう可能性があるのでウエイトの管理も、とても重要となってくるでしょう。
まぁそりゃそうだろうと思う人もいるかもしれませんね。
後はそこまで考えてやる程の熱量じゃない人や仕事と両立を図り、楽しんでやっている人も、色々な目的で楽しんでいると思います。
また、トライアスロンの魅力はそこにあると思っています。
では、ひとまず、ピリオダイゼーションとか抜きにして、僕個人としてトライアスロンにおけるストレングストレーニングの考えとしては、
第一に、ウエイトトレーニングは自分の身体と解剖学的に向き合える時間と思っています。
競技中の動きはどれを取っても、とても複雑で、不調やスランプ、限界を感じた時、怪我をしてしまった要因や原因を分析するのがとても難しいと言えます。(コーチや指導者が着いていて客観的に動きを分析してくれる人がいれば別ですが)
しかし、ウエイトトレーニングは標的となる筋肉を理解した上で行なっていきます。
なので、使えていない筋肉や身体の弱い部分を特定する事が比較的容易でもあるのです。
そのような、身体の特定の部位に対してアプローチし、身体の使い方を覚えたり、筋力のバランスを整えていく、いわゆる、ファンクショナルトレーニングを加えていく事が重要と思われます。
例えば、プランクが苦手、アンチローテーション、が上手く機能しないなどあった場合体幹の安定を図ります。
ただプランクの姿勢を維持できない人でも、その要因はいくつも考えられますし、アンチローテーションが機能しない人とでは同じ体幹部でも、標的となる筋群は、
腹横筋?
脊柱起立筋?
腹斜筋?
プランクだと前鋸筋が絡んでいたり、
臀筋群の影響なども
また、アンチローテーションでは上半身と下半身の分離と共同という要素も絡んできます。
またランにおける下半身強化の為、何をすべきか?
足関節?
関節、筋肉の状態は?
固い?
張っている?
可動域が出ない?
など
自身の身体の弱点や問題に対して、しっかりと向き合い状態に応じたトレーニングとケアのプログラミングができると恐らくパフォーマンスの向上に繋がってくるのではないかと思います。
そしてストレングストレーニングを行うにあたり、もう一つ重要な事は、適正体重の範囲の中でどれだけのパワーを発揮できるか?
個人的に競技におけるBMIの適正体重は21-23の範囲かと思っています。
僕個人はBMI21が理想でその体重の中でいかにパワーを発揮出来るかを考えてトレーニングを行っています。
ここで言う「パワー」とは「速度」×「筋力」の事で物理学的なものになります。〔バイクのパワーメーターでのパワーは「筋力(トルク)」×「角速度(角変位×速度)」の事で、これについても別に記事でアップしようと考えていますので興味のある方はお楽しみに〕
パワーの要素には速度が絡んでくるので、どれだけ素早く動作を行えるか?ということにもなります。
特にウエイトトレーニングだと、重量を追っていきがちな人も多いのではないでしょうか?
重量を追っていくと、どうしても筋肥大を考え、それと同時に体重増加傾向になる印象がありますが、どうでしょうか?
パワーの向上を目的とした場合は重量は個々の体重あたりで考え、素早く動作を行うことを意識していきます。(重量設定の基準はここでは省略致します)
ここでひとつ問題となるのはフォームです。
ウエイトトレーニングでは正しいフォームで行う事がとても重要なのですが、素早い動きを意識するとフォームが崩れ、本来効かせたい筋肉に効かせられていない場合や怪我のリスクも高まってきます。
なので、フリーウエイトに慣れていない方は、まずは、パワーの向上の前に、軽い重量でゆっくりと動作を行いフォームを覚える事です。
遠回りかもしれませんが、これが最大の近道とも考えられます。
トレーニングの種目についてですが、ビックスリーと言われる「スクワット」「ベンチプレス」「デッドリフト」をしっかりとしたフォームで行い、さらに「パワークリーン」「懸垂」「プレス」を定期的にプログラミングできるといいと思います。これで、ほぼ全身の筋肉に刺激が入り、また、筋伝達や神経系?床反力の向上にも効果があり、プラス上記のファンクショナルトレーニングを取り入れる事でトライアスロンの競技能力は効率的にアップすると思っています。
各種目に対するトライアスロンへの効果は後々にアップして行こうと考えていますので、興味のある方はお楽しみに!