1型糖尿病のトライアスロン、血糖値、栄養日記-アイアンマンコナを目指して-

一型糖尿病20年目の管理栄養士です。アイアンマンコナ出場を目指してトレーニングの様子や血糖コントロール、栄養管理についてアップしていきます。

昨今のSNSをはじめとする栄養情報について思う事

ここ数年、目にする栄養に関するSNSやブログやレビュー。
皆さん凄い勉強されていて専門である栄養士からしても頭が下がります。

 

しかしながら、中には表面的で浅はかな栄養理論も数多く見受けられます。

 

その根源はメディアや週刊誌、SNSからの広告や記事でその発信元はメーカーやスポーツジム、タレント、モデル、一部の医師や栄養士、トレーナー、中には料理研究家や〇〇栄養アドバイザーみたいな民間資格

某有名サイクルロードバイクYouTube情報番組の最近の栄養についての動画は素人がちょっとインターネットで調べたレベルの情報を平気で配信してしまうという始末。

そのほとんどが金儲け目当てで商品を売り込むために、一時的な結果を公表したり、難しい言葉を使ってそれっぽい事を記事にして中身が空っぽの広告や生理学や栄養学、生化学を無視した経験論のダイエット方法や治療法、コンディショニング法と問題となるのは様々あって、それを信用してめちゃくちゃ頑張って、お金をかけても結果が出なかったり満足できなかったりという人が本当に多いという事実。

それに対して数千、数万時間の経験と勉強を有した栄養士の言葉や話も一度信じた物を覆すのにはかなりの説得力と労力が必要。

その対価、報酬である1回の栄養指導料は2000-2600円、場合によっては5-6000円/回の報酬。上記の通り微々たる物。

また、医療の現場では医師が絶対だし、場合によっては管理栄養士は医療従事者と認識されておらず、かやの外という事もあります。

 

かたや社会的認知度が高いモデルやボディビルダーなど外見が整っていたりオリンピアン、元プロアスリート、医師や大手メーカーなど社会的地位や肩書きや影響力のある人の発言は時に軽率な内容や効果があるかないかも分からない商品、場合によっては体調不良の原因を作っている可能性もあるのにも関わらず、信頼や利益に繋がっている。

 

コロナで感染症の事も何も分からない人があーだのこーだの言って混乱を招いてよく分かったと思いますが、SNSを始め通信を介した専門的な記事や発言は規制をかけるべきだと思うのは僕だけでしょうか?

AIの技術が進みどんどん栄養士の立場も無くなってしまうなって思う。

 

一型糖尿病で管理栄養士の私は18年間血糖値のコントロールの為の食事とインスリンの自己管理をして尚且つここ5-6年くらいはトライアスロンで週10-20時間のトレーニングをしながら血糖値の推移を追って毎月採血結果と主観的な身体の疲労具合や身体状況、パフォーマンスについて観察していると身体にとって栄養で一番大事な物は何か?というのが身に染みて分かる。

炭水化物制限、高たんぱく質、ビタミン、塩分、抗酸化物質・・・
どれも効果的だしそうでない場合もある。

前にも記事にしましたが、どれもこれもエネルギーの概念がすっ飛んでる。

各病態、運動のガイドラインを見ても全てその人の体格、活動レベルから、栄養の目安量が推奨されていて概ね素人さんはそれが抜けている。

だから失敗するし、効果があるかないかもわからない。

また成功しても具体化できてないため、全く違った体格、運動レベルの人が同じことを真似ても自分の身体と合っていないから失敗する。

 

またそれに気付いていなく、栄養戦略として「これだけ用意しました」とかよくあるけど、自慢気にアップしないで欲しい。

まあ、本人が良いなら良いのですが、

 

残念で仕方がない気持ちになってしまう・・・

 

薬の処方だって、その人の年齢、性別、体格や症状によって量を考えて医師が処方していると思います。(僕は医師でもなく薬剤師でもないので詳しくは分かりませんし、間違っていたら指摘してください)

 

栄養も同じです。

 

ただ残念な事に管理栄養士そのものがその事をちゃんと理解していなかったり、エネルギーの概念を理解している人が少ないと感じます。


ただ、ひとつ栄養に関して言える事は単的な所をいくら勉強していたり、小規模な研究結果を鵜呑みにしても効果はどうなんだろうと思う。

基本的なエネルギーの概念を理解していなければ、どんな栄養を摂ろうが、あまり意味がないと私は考えています。

 

栄養はもっと単純で、エネルギーの概念さえおさえれば、それなりの管理ができる!

 

それに電解質と人間の恒常性としての機能がある程度頭に入っていれば応用が効く気がします。

三大栄養素、各々の種類や性質を摂取した時の生理的反応と恒常性の働きがある程度理解できていれば・・・

 

三大栄養素はエネルギーを有している訳で、電解質も恒常性のメカニズムもエネルギーをまず考えないと意味がない

 

と考えていますが、、、

 

しかしながら単純だからこそ難しいってのもあるし、

結果単純と言っているけど、すごい複雑。

そりゃ、人体の構造から考えたら色々な要素がある訳で、

血糖値のコントロールを主に食事の管理を20年近く理論と照らし合わせながらやってきた経験から食事や栄養はまずはエネルギーを起点に単純に考えるとよいのではないかという意味で、

 

食事としての栄養、栄養としての食事。食べる楽しみだったり、人間味のある生活。

 

まあ、色々考えてもやっぱり正解は無いのだろうという結論に至る。

 

私はあくまで食事の延長線上に栄養があるという考えが理想的と思う。

表面的な所で考え過ぎると沼にハマってしまい、餌化した食生活、体調不良や余計な出費になってしまうと思うので注意が必要と思う2022年初頭でした。

 

今年もよろしくお願いします。